節約や資産形成に興味がある方は、ブログやYoutubeなどで自身の節約術や資産形成方法を紹介しているのを目にしたことがあるかと思います。
私はこういった発信内容は、正攻法な節約や資産形成であれば、基本的には肯定的なスタンスです。(簡単に儲かるとか、簡単に稼げるみたいな詐欺まがいのものはもちろん否定的ですが・・・)
ただ、40代まで生きてきた私からすると、こういった発信の一部ではあることが考慮されておらず、必ずしも参照できないと感じることがあります。
今回はこのあることに関する話をします。
「あること」とは?
「生活環境を左右する要因」のことです。
具体的に言うと、
- 同居家族の状況(婚姻、子ども、親など)
- 自身も含む家族の年齢
- 世帯の所得状況(金額ならびに働いている人数、就業形態)
- 親族との関係性(扶養や介護など)
こういったものです。
生活環境を左右する要因をなぜ考慮しないといけないか?
「生活環境を左右する要因」を節約や資産形成で考慮しないといけない理由、それは難易度が大幅に変わるからです。
私の経験からの発言になってしまいますが、社会人になってからなら、節約や資産形成は若ければ若いほど、ケアする家族の人数が少なければ少ないほど簡単になります。
ここで20代独身の生活を考えてみましょう。
20代独身の場合、仕事以外は基本的に自分の好きな生活をすることが出来ると思います。(親族の介護などをされている人は別ですが、そういった事情がない限りは、20代独身でしたらかなり自由がきくと思います。特に親が元気で親元生活している人は時間もお金も相当な自由度だと思います。)
また、20代という若さの特権で、仕事(転職、企業)や投資で高いリスクを許容することができ、やれることの範囲、とれる選択肢がとても広いのです。(基本的に年齢が高くなるほど、リスク許容度は下がり、やれることも選択肢も狭まっていきます。)
なので、あくまで比較論ではありますが、20代独身は自由度が高く、色々やれることも多く、それゆえにストレスも少ないと思われます。
では次に40代の家庭持ち(子持ち)を考えてみましょう。
ここで最大のポイントになるのが子ども(子育て)です。
子育てはお金もですが、何よりも時間的な余裕が一気になくなります。独身と子持ちでは天と地ほど時間の自由度が異なります。
時間的な余裕がなくなるというのは、お金を稼ぐ時間が減少する、趣味に使える時間が減少する、ということも意味します。
つまり、お金が必要で稼ぎたくても子育てに時間がとられて稼げない、やりたいことがあっても子育てに時間がとられて出来ない、という状況が起こります。(私は頻繁に起こっています。)
この状況はとてもストレスがかかります。不安にもなります。ネガティブな感情に駆られて夫婦が衝突することもしばしばです。
また、40代で子どもを抱えていると、投資にフルポジみたいなリスクをとることも難しいですし、収入アップのために仕事を変えることも容易ではありません。
なので、こちらも比較論ですが、40代子持ちは自由度が低く、出来ることも少なく、普段から抱えているストレスも結構やばいです。
難易度が変わる理由~節約~
20代独身と40代子持ちを例に生活環境の違いから比較してみました。ではこれがどう節約と関わるかを考えてみましょう。
節約とは基本的に無駄を減らす行為です。無駄を減らすために努力したり、無駄を減らすために我慢することが必要になってきます。
そのため、多くの人にとってストレスがかかる行為となります。(一部いる節約マニア、節約自体を楽しめる人、節約の達成感で大きな幸福を感じる人)は例外です)
また、家族がいる人はそのストレスがかかる行為を家族に強いることにもなります。
なので、生活の自由度の高く、ストレスが少ない(もしくは発散しやすい)独身の方が圧倒的に節約が簡単なのです。
一方、色々と余裕がない家庭持ちの場合はこれが簡単ではないのです。20代独身のときに出来た節約が40代子持ちになると出来なくなってしまうのです。
こういったストレスや生活の余裕に関する話は根性論だけではどうにもならないこともあるのです。
難易度が変わる理由~資産形成~
次に同じ例で資産形成が難しくなる理由を考えてみましょう。
資産形成には収入、支出、投資といった要素がかかわってきます。
まずは支出の話ですが、当たり前の話ですが、独身のほうが支出は圧倒的に少なくなります。食費や光熱費などは一人分で良いですし、家も家賃の安いワンルームとかで全然OKです。
一方、家族がいると、特に子どもがいると支出が飛躍的に増えていきます。食費や高熱費や被服費や住居費などだけでなく、教育費など、独身だったらかからない費用まで必要になります。
収入も、独身でしたら時間や勤務地などの条件に自由度があり、さらに若ければポテンシャル採用でキャリアアップの転職も可能であると思いますが、中年の子持ちだとそうはいきません。子育てで時間も体力もかなりとられてしまうため、そこを考慮した仕事しか選べません。また、年齢的に転職も簡単ではありません。
最後に投資ですが、これは独身のほうが家庭持ちより、若い人のほうが年寄よりリスク許容度が高くなりますので、自由度の高い投資戦略をとることが出来ます。
逆に中高年の家庭持ちはリスク許容度が低いため、ハイリスクな投資対象や資産の高い割合を投資することは難しくなってきます。(つまり、短期間で大きな資産を投資で築くのはとても難しいということです。)
これらのことから、収入、支出、投資の全ての面において、40代子持ちの方が20代独身よりも資産形成が難しいのです。
まとめ
「生活環境を左右する要因」によって節約も資産形成も難易度が変わってくるという私の持論をここまで記載しました。
言い換えると、よくネット上にある節約や資産形成に関する情報は人によって適性があるということです。
例えばですが、20代の独身女性が提唱する節約術があったとします。そして、その内容はとても合理的で素晴らしいものであったとします。
でも、その内容は40代の家庭持ち男性である私には、生活環境が異なる私には適していない部分もありえるということです。
同様に20代の独身男性が提唱する資産形成術があったとします。これも内容が素晴らしく、その人は莫大な資産を築いていたとします。
しかし、これも生活環境が異なる私には真似できないもの(真似してはいけないもの)であるかもしれないのです。
20代だからできること、独身だからできること、40代にはできないこと、子持ちには出来ないこと、これらは間違いなくあります。
私が言いたいことは、
ネット(SNS)には様々な情報があふれており、そこには多数の成功体験や手法がありますが、その情報が自身の生活環境に適しているものか、これをじっくり吟味してからその情報を活用しないといけません。
ということです。
人は人、自分は自分と考え、自身に適した情報のみピックアップし、それを有効活用していくのがとても大切です。