投資を始めるにあたり、適した投資対象をちゃんと選ぶために意識しないといけないものがあります。
それが目的とリスク許容度です。
今回の記事ではそのことについて紹介します。
投資の目的をまずはっきりさせる
まず最初に大切なのが投資の目的です。
具体的には、
「どれくらいの期間で、どれくらいの金額を、元本いくらで稼ぎたいのか」
です。
この目的次第で、適した投資手法が全然変わってきてしまいます。
例えばですが、
①1年間で1000万円を元本100万円で稼ぎたい
②20年間で300万円を元本100万円で稼ぎたい
という2つの目的があったとします。(以下は目的を達成することを優先として書きます)
①の方は1年間という短期間で元本を10倍にしないといけないので、かなり目的達成の難易度が高いです。ローリスクやミドルリスクの投資では目的の達成が難しく、ハイリスクな投資をせざるを得ない目的であるといえます。
一方で②の方は20年間という長期で元本を3倍にする形なので、複利運用していけばローリスクな投資でも達成できる可能性があります。目的達成の難易度がそこまで高くないため、投資手法の選択肢が広いのです。
このように、投資は目的次第でその難易度が変わり、難易度によって選べる投資手法が変わってしまいます。
適した投資対象を選定するためには投資目的を明確にすることが必要になってきます。
リスク許容度(リスク)
次にリスク許容度です。(投資の場合、リスクは危険性という意味ではなく、損益の幅という意味。)
リスク許容度とは、最悪どこまでの損失までなら耐えられるか(許容できるか)という意味です。
ここでまた例を出しますが、
①投資元本の20%までの損失しか許容できない
②投資元本の50%までの損失なら許容できる
③投資元本の100%が損失しても許容できる
という3パターンあったとします。
①の場合、かなりリスク許容度が低く、多くの金融商品が投資対象からはずれてしまいます。(米国債や日本国債など、安全性のかなり高い債券を償還期限まで絶対保有するといった投資くらいしか出来ないかもしれません。むしろここまでリスク許容度が低いようでしたら、投資はせずに貯金だけに徹する方がベターかもしれないレベルです。)
②の場合はそこそこのリスクは許容しているので、それなりに投資対象も幅が出てきます。業績や財務がある程度安定している企業の株式(現物)、債券、先進国や米国株式のインデックス投資(投資信託やETF)、REITなどが対象になってくると思います。
③はなんでもありです。様々な株式、FX、仮想通貨、不動産、コモディティ、なんでもありです。
このように、リスク許容度が高ければ高いほど、選べる投資手法の選択肢が広がってきます。
ただし、リスク許容度は高ければ良いというものではありません。高すぎるリスクを負ってしまうと身の破滅を招きます。
投資にまわせる元本は総資産のうちの何%くらいで、最悪その投資元本が何%までなら棄損しても大丈夫、というのをしっかり考えてリスク許容度を設定しないといけません。
目的とリスクのバランス調整
ここまでそれぞれで説明してきましたが、最終的にはこれらのバランスをとって投資対象を決定します。
バランスのとりかたですが、必ずリスク許容度の方を軸にして調整するようにしてください。
投資目的を達成するための投資対象がリスク許容度を超えてしまっている場合は目的の方を修正し、必ずリスク許容度の範囲内に収まる投資対象を選ぶようにしましょう。
投資目的の達成を軸にしてリスク許容度のほうに目を瞑ってしまうと身の破滅を招きますので、目的の達成に目がくらまないようにしてください。
まとめ
投資目的は人それぞれです。許容できるリスクも人それぞれです。
周囲の人間やネット上の情報に惑わされず、自分の最適なバランスを必ず見つけるようにしましょう。
人の儲かった話にあてられて、許容できないリスクを背負ってしまい、結果投資で破滅してしまう話は昔からあります。
人は人、自分は自分の精神で、自分のリスク許容度としっかり向き合い、その上で、目的達成になるべく近づける投資が出来るようになりましょう。